投稿者:下北沢病院
医師 菊池守

踵が痛い、そんなときには足に何が起こっているのでしょうか?
踵の痛みには様々な原因があります。足底腱膜炎が有名ですが、もちろん原因となる可能性はそれだけではありません。正しい診断のためには病歴を聞いたり、診察や検査などが必要になります。
第3回の今回は確定診断のための画像検査についてご説明します。

診断に必要な画像検査
踵部痛を診断するのに必要な検査は
足と足関節のレントゲン、CT、超音波、MRI、神経伝達速度、筋電図、神経感覚試験などがあります。
①立位レントゲン検査(正面、側面、斜位)
来院時にレントゲン撮影をとれば、疲労骨折や踵骨嚢胞、踵骨棘などを見つけることが出来るかもしれません。ただし踵骨棘があるからと言って必ずしも痛みの原因が足底腱膜炎とは限らないので注意が必要です。
レントゲンで足部のアライメント(立位での回内や回外の程度)や関節裂隙、骨棘などをチェックします。レントゲンだけではわからない場合には別の検査が必要です。
②CT
CT検査は関節炎や踵骨嚢胞、疲労骨折を検出するのに優れています。歩行時痛や踵の痛みの原因となる距骨下関節、足関節、中足部の関節炎や軟骨のすり減りもCTで診れば診断可能です。
③超音波検査
超音波検査は軟部組織を観察するのには非常に適した検査です。なにせ検査する際の痛みも放射線の被曝もなく安価です。足底腱膜全体を簡単に観察できますし、足底腱膜の断裂も容易に診断できます。軟部組織の腫瘤や神経の絞扼や圧迫も場合によっては観察ができます。ただし疲労骨折や骨嚢胞は超音波では診断が出来ません。
踵の痛みで診断しにくいのは母趾屈筋腱によって足根管の中で脛骨神経の圧迫されることによるものです。母趾屈筋腱のトラブルによって足関節の痛みや踵の内側の痛みが引き起こされます。足関節の後方や踵の内側、足底側で筋肉を動かしながら超音波で観察してみてください。足を動かした際に腱が断裂しそうになっていたり、腫れていたり、狭くなってしまっている部位が見つかるかもしれません。
④MRI
MRIは他の検査で診断がつかない場合には非常に有効であることが多いです。腱や筋膜の損傷、骨折や嚢胞、足根骨癒合症などの骨構成の異常や神経の走行を途中で圧迫する占拠病変などをMRIで診断することができます。

さいごに
踵の痛みには様々な原因があります。もちろん足底腱膜炎が原因である場合が多いのは事実ですが、病歴の聴取や検査や画像診断をおろそかにして、足底筋膜炎と決めつけることは非常に危険です。
しっかりとした診断で正しい治療を行いましょう。

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菊池 守

菊池 守

院長下北沢病院
「教えて、足病先生!」塾長であり日本初の「足」の専門病院の院長。 日本で「足病科」「足病学」を確立する礎となる病院にすることが目下の目標。