プライマリはプリマ(主役)に由来する語で初期、近接、基本といった意味に加え「重要な」という意味が含まれており、プライマリケアは、身近で総合的な医療という概念であり、プライマリにおけるフットケアでは、身近な医療者が足を総合的にケア、診療を行うという重要な役割があるといえます。
フットケアは、観察や実践的なケアに加え、セルフケアが非常に重要なキーポイントとなります。足を洗う、保湿をする、靴下をはく、異常がないか観察するといったセルフケア行動ができるといった行動変容と同様に重要なことは、受診の必要性を十分に理解できフットケア継続の通院ができることだと考えます。また、透析患者では、異常を異常と判断し医療者へ伝えることができれば早期発見、早期治療につながります。
こうした行動変容は、私たちのセルフケア教育の成果として評価できると考えます。
セルフケア支援では、患者の属性、身体的状況、足の症状、生活状況、精神的な学習準備の環境、環境因子などを考慮した支援、教育が求められるのです。教育パンフレットだけに頼った一辺倒の教育では、支援とはいえません。本当にそのとき必要なことを一つだけ持ち帰ってもらう。その積み重ねが患者のセルフケア行動の変容につながっていくと考えています。
自分の病気、辛さ、大変さは患者が一番理解しているのです。患者に沿う看護、パートナー関係を築くことがセルフマネジメントに一番重要なことなのです。患者に沿う看護とは、患者を知ることからがスタートです。患者の生活、病状、心理状態などに寄り添いながら、かかわりの中で柔軟に支援していくことだと考えます。本講演では、こうした教育の中でもエンパワーメントの概念を中心にフットケアにおけるセルフケア支援を考えていきます。

愛甲 美穂(湘南鎌倉総合病院 血液浄化センター/フットケア看護専門外来)

プログラム名:よくわかる講座5「プライマリケアにおけるフットケア?セルフケア支援を考える」
日程・会場:2月9日(土曜日)10:35?11:05 第7会場

【第17回日本フットケア学会年次学術集会】
日程:2019年2月9日(土)、10日(日)
会場:名古屋国際会議場
大会長:佐藤 元美(新城市民病院 腎臓内科・人工透析センター)
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