投稿者:下北沢病院 病院長
菊池 守

最近注目されている「フレイル」という概念があります。
海外の老年医学の分野で高齢者に起こりやすい「虚弱」や「老衰」をさす「Frailty」の日本語訳として、日本老年医学会が2014年に提唱しました。

 厚生労働省研究班の報告書では、フレイルとは「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」1)とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間にあって正しく介入すれば健康な状態に戻ることができるとされています。

日本歯科医師会では口腔機能の軽微な低下や偏りなどを「オーラルフレイル」と定義し、滑舌の低下や食べこぼし、わずかなむせ、口の乾燥などをその始まりであると提唱していますが、私は同様に「フットフレイル」という概念を提唱すべきだと考えています。

以下のような加齢による足のさまざまな老化
① タコやウオノメなど皮膚の乾燥と硬化
② 巻き爪や肥厚爪など爪トラブル
③ 下肢の動脈硬化
④ 足のむくみ
⑤ 筋力低下
⑥ 関節可動域の低下(足首や足趾が硬くなること)
⑦ アーチの低下と変形
が始まることで、歩行意欲が障害され、筋力や活力の低下につながっていく。

これを「フットフレイル」として位置づけて早期の介入や支援をすること、で健康な生活に戻れるかもしれません。
フットケアは「フットフレイル」を健康な状況に戻すことであり、健康寿命を延ばすことと言えるでしょう。
「フットフレイル」に早期に介入し、フットケアを通じて寝たきりや認知症を予防していきましょう。

 

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菊池 守

菊池 守

院長下北沢病院
「教えて、足病先生!」塾長であり日本初の「足」の専門病院の院長。 日本で「足病科」「足病学」を確立する礎となる病院にすることが目下の目標。