投稿者:医療法人朝霧会じんの内医院
看護師
安藤恭代

2016年4月より「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」の算定が開始となり、フットケアを導入する施設が増加しています。
透析室で行うフットケアの特徴として、透析室という特殊な治療環境の中で多人数が透析治療を行っている中で医療者に足を見せるということに羞恥心や拒否反応を示し、足を見せてくれない場合があります。
ですので、フットケアの目的を明確に透析患者に伝え理解していただくことが大切です。

フットケアの目的としては①足に傷をつくらない。②足病変の早期発見と適切な対処。③適切な診療科受診の遂行と多職種チームでのかかわりがあげられます。(「始めよう!フットケア」日本フットケア学会編集 より)
フットチェックの内容としては、歩容の観察、靴・靴下は清潔か、足背動脈・後脛骨動脈・膝窩動脈・大腿動脈の触知はどうか・左右差はないか、足の形、皮膚色調、乾燥、硬さ、暖かさ、冷感、足趾の形、爪の形・長さ・厚さ、足趾間の皮膚の変化、を観察する必要があります。
透析患者は、追加して血液データ(GA、Ca、P、PTHなど)や体重増加や自宅血圧や透析中の血圧変動についてもチェックしていく必要があります。
フットケアの内容として、足を洗浄する。爪を切る。胼胝を削る。保湿を行う。ということが行われています。
足の状態が、どのようになっているかを説明し必要なケアを具体的に説明し実践していく必要があります。
そして、それを活用し患者自身が自宅で行えるセルフケア方法を共に考え、無理せずできることから始めることです。
透析患者だけでなく、家族にも情報提供を行い、協力を依頼する必要があります。しかし、この際に一方的でなく、無理せずできることを家族とも話し合いながら介入してく必要があります。
また、自宅で生活している透析患者だけでなく、施設入所中の透析患者も存在するため施設スタッフとも情報共有していく必要があります。

しかし、漠然とした情報共有ではなく、しっかり目的と目標を明らかにしていく事が大切です。例えば、「自分(もしくは家族や施設職員)で足の観察を行い、何かしら異常があれば看護師に伝えることができる。」といった目標を示し、看護師に報告で来たら、必要なケアを指導します。
透析患者だけでなく、医療従事者間での情報共有も必要です。医師だけでなく、理学療法士や管理栄養士、検査技師、MSWなど患者に関わる多職種が連携し、協働していく必要があります。
フットケアを行うことで、足が良くなっていることを伝え患者自身が体感することでモチベーションを高めることができます。その患者の反応が、私たち医療者のモチベーションとなるという相乗効果をもたらします。
透析患者へのフットケアは、“足を救う”+“透析患者の生活を守る”ケアである事を透析患者や医療従事者には念頭に置いていただきたいと考えます。