投稿者:佐賀大学医学部附属病院
看護師・助産師・リンパ浮腫技能士 渡辺直子

リンパ浮腫や静脈疾患についての治療ですが、大きく分けると➀複合的治療(保存療法)②手術療法があります。

➀複合的治療
保存的治療を行う場合、一番大切なことは、毎日のケアの継続です。高齢化社会である日本では、患者さん自身のセルフケアが出来ない場合もあります。看護師をはじめとする医療スタッフは、ソーシャルサポートメンバーのセルフケア能力を判断し、どの治療やケアを誰にどのような方法で教育し、役割分担するのか?の検討が重要です。

A圧迫療法
圧迫療法については、次の項で詳しくお話していきます。大切なのは禁忌事項がある為、施行前には必ず全身状態の観察と医師に確認することが必要です。リンパ浮腫の治療は2期に分かれています。集中治療期では多層包帯法により、浮腫の積極的改善を図ります。その後維持期では浮腫の悪化を防ぐため、個人の生活にあったストッキングや圧迫用品を選択していきます。皮膚損傷や血流障害に対するより高い注意が必要です。また、着用困難により、治療中断となるケースも多いため、患者のセルフケア能力に応じた圧迫用品を選択し、治療意欲維持の為にも継続的な患者教育を行うことが重要です。(第5章で詳しくお話しします。)

Bリンパドレナージ
リンパ排液を促し、皮膚硬化の改善を図り、圧迫時の皮膚の均一化を図り、排液を効果的にすると共に、ゲートコントロールによる心理的効果もあります。ドレナージにも禁忌がある為、施行前に除外を行うことは大切です。
一般的なマッサージとは全く違う方法であるため、専門的教育を元に行う必要があります。
             
C運動療法
リンパ還流を増大させ、静脈還流を増加する等の効果があります。足首や足指の可動域・運動継続意欲・継続への障害要因・運動後の下肢の状態等を観察し、患者が取り掛かりやすい腹式呼吸等から始めるとよいでしょう。下肢リンパ浮腫や皮膚の硬化を伴う静脈疾患等では足部のアライメントが崩れている場合も多く、リハビリ等を連携することで、より高い効果があります。