投稿者:佐賀大学医学部附属病院
看護師・助産師・リンパ浮腫技能士 渡辺直子

今回は、複合的治療では患者さんのセルフケアによるところが大きいスキンケアと生活指導についてお話しします。 

D:スキンケア
リンパ浮腫や静脈疾患の患者では、浮腫である為に、下肢の屈曲が困難であったり、リンパ浮腫の場合は特に抗癌剤による皮膚や爪の変化。感覚障害などが発生するため、スキンケアの基本である観察やセルフケアが非常に困難なケースも多くあります。また、指が腫れることで、自分では爪切りが困難であったり、巻き爪を生じやすい状態です。患者さんが日常生活でどのような、あしのお手入れをしているのか?を看護師も知ることが大切です。スキントラブルとしては、乾燥やストッキングた包帯によるムレ・かぶれ・潰瘍や蜂窩織炎・リンパ乳頭腫・リンパ漏・癌の皮膚転移・リンパ管肉腫の発症など合併症や疾患によるものと、MDRPUなど治療に関連するものがあります。
特にリンパ浮腫では蜂窩織炎の発症によりリンパ管の機能不全が進行することから、炎症を予防する為に皮膚刺激を少なくし、感染防止を行う事が重要です。繰り返す蜂窩織炎に対して、リンパ管静脈吻合術を行うことで発症を軽減できる場合があるので、医師と相談しましょう。浮腫による下肢の屈曲が困難なケースも多いため、患者のQOLに配慮したセルフケアの方法を検討します。ケアの具体的方法として、
➀潰瘍以外の場所は保湿剤で保湿を行うこと。(保湿剤は肌の状態や創部の有無で選択し、入浴後5分以内と時間を決めて塗布するようにすると習慣化します。)②下肢の洗浄の際は擦らずにシャボンで撫でるように
➂MDRPU予防:圧迫療法時は必ず皮膚保護を行い、しわ・よれ・しびれ・疼痛がある場合は速やかに中止することを患者に説明しておきましょう。
④皮膚外用薬などで掻痒感のコントロールも必要です。
⑤巻き爪などが潰瘍の元になることもあるので、爪の整え方も説明することが大切です。
⑥フットウェア:足部の浮腫によって変形と靴の刺激により皮膚・爪の損傷・変形を来し、慢性的な炎症の一因となります。フットケア外来や靴外来などと連携を行える体制づくりを日頃から考えていきましょう。ワンポイントとして、弾性ストッキング着用後につま先の布地を必ず前後に動かし、指の動きを制限しない着用を心がけることも足のトラブル予防となります。
⑦潰瘍・リンパ漏:ポリウレタンフォームや浸透圧吸収シートなど多量の浸出液を吸収する被覆剤を選択しましょう。いかに負担なく継続できるのか?を一緒に考えながら常に変わる患者さんの生活とともに方法を変えていくことが大切です。

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