コットンパッキング、3TO、フェノール法、側爪郭切除術などの治療法では痛みが取れず日常生活に支障をきたすような陥入爪であれば観血的な手術療法の適応となるが、PAD(Peripheral Artery Disease:末梢動脈疾患)を持つ患者では血行に不安があるため注意を要する。
たとえば、術前の患趾X線で造影していないのに足趾の動脈が投影されるような患者には、通常はネラトンカテーテルもしくはゴム手袋を用いて駆血するが、足趾基部の駆血による壊死を回避するため局所麻酔であってもタニケットによる大腿部での駆血を選択する。
なお、PADが高度な場合はタニケットを用いても駆血できずかえってうっ血帯となる。
また、糖尿病は禁忌ではないが、術後の創傷治癒が遅延したり感染リスクが増加するおそれがあるため、患者にリスクを十分説明すると共に、治療前に血糖が十分にコントロールされていることを確認する。
中等症までの陥入爪はフェノール法や側爪郭切除術などで十分対処できるが、重症例には病変部の爪甲側縁、爪母、爪床、側爪郭のみならず側骨間靱帯を含め楔形に一塊として切除する鬼塚法、あるいは、側骨間靱帯を残して病変部の爪母を切除する児島法のどちらかの手術療法を選択する。
また、後者には、側縁の陥入が軽度なものが適応となるI法と、陥入が高度もしくは側爪郭に化膿性肉芽腫を伴うものが適応となり側爪郭まで皮切を加えるII法とがある。
なお、鬼塚法と児島法との違いは側骨間靭帯も含めて切除するか温存するかである。

立花 隆夫(大阪赤十字病院・皮膚科)

プログラム名:シンポジウム2 炎症性肉芽を伴う陥入爪の治療について 〜手術療法について
日程・会場:2月9日(土曜日)16:00~18:00 第4会場

【第17回日本フットケア学会年次学術集会】
日程:2019年2月9日(土)、10日(日)
会場:名古屋国際会議場
大会長:佐藤 元美(新城市民病院 腎臓内科・人工透析センター)
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